普及が進むオール電化住宅。気になる今後の展望は……?



前回は「オール電化住宅」のメリット・デメリットをご紹介しました。ただこれから導入を検討される方にとっては、実際のところ、どれほどの割合でオール電化が採用されているのか気になるところでしょう。今回はオール電化住宅の普及率とこれからの展望についてご紹介します。




■太陽光発電の買取終了に伴い、オール電化にさらなる注目が




昨年末に公表された市場調査によると、オール電化住宅の数は新築・リフォームともに増加し、31.6万戸にのぼったそうです。東日本大震災以降から2016年までは減少気味であったものの、2017年には前年度を上回り、2019年は増加傾向にあると発表されています。


2020年以降は増税の影響や人口・世帯数の減少などから、新築住宅の着工数が減る予測が立てられており、それに伴ってオール電化住宅の施工数も減る見通しです。ただ2019年末には10kW未満の太陽光発電の買取が終了を迎え、このことがオール電化住宅の要となる「エコキュート」にとって追い風となると言われているのです。


というのもすでに太陽光発電を導入しているご家庭では、買取価格が大幅に落ち込むことで、電気を売るよりもご自分で使ったほうがお得になります。すなわち、電力が余ってしまうわけですね。この余剰電力を活用する方法として、太陽光発電システムと連携できる新型エコキュートが話題を呼んでおり、あらためてオール電化住宅が注目を浴びている状況なのです。




■オール電化・太陽光発電、それぞれのメリットは?




オール電化住宅のメリットは前回でも述べたよう、何と言っても節約効果。電気・ガスを併用するとそれぞれに基本使用料が発生しますが、オール電化1本に絞ることで、ガスの基本使用料を払う必要がなくなります。

オール電化住宅ですと、電気・ガスを併用した場合に比べて年間10万円、すなわち10年間で100万円近く節約できるという試算も出ています。


すでに太陽光発電システムを導入されていらっしゃるなら、オール電化と組み合わせることで光熱費の節約効果はアップします。

ところで、太陽光発電とオール電化の役割が混同されていることが多いようですので、今一度、それぞれの効果のおさらいをしてみましょう。

オール電化はガス代を下げる効果が、太陽光発電は電気代を下げる効果があります。すなわち、それぞれに目的が異なるのです。


オール電化を導入すると、基本的には深夜帯に料金が安くなる深夜電力プランを選ぶことになります。しかし深夜料金が安くなる代わりに、日中に電気を使うと割高になってしまいます(もちろん共働きで、日中電気をほとんど使わないご家庭なら気にする必要はありません)。太陽光発電システムを設置していると、その料金が高い日中に電気を買う必要がなくなるのです。太陽光発電・オール電化の両方を導入していると、それぞれの得意なところ・不得手なところを補えるということですね。




■併用により、さらにエコでお得な生活設計を




オール電化住宅は節約効果に加えて、火を使わないために火事が起こりにくく、一酸化中毒になるリスクも軽減されるなど、安全面にも定評があります。震災でもガス・水道にくらべて、いち早く電気が復旧しました。


桜電設ではオール電化工事だけでなく、太陽光発電システムの導入工事も手がけています。オール電化は導入済みで太陽光発電システムも検討してみたいという方、またすでに太陽光発電システムは入れているもののオール電化も考えてみたいという方は、お気軽にご相談ください。

これまでの経験からメリット・デメリットを率直にお伝えし、お客様の快適な暮らしのお手伝いができればと思っています。