「オール電化住宅」とは、ガスを使わずに電気だけで、調理・給湯・暖房など生活に必要とされる熱源をまかなう住まいのこと。火やガスを使わないので、調理などによる事故のリスクを減らせる上、料金的なメリットも魅力です。
ただし、何事においても良い面・悪い面、両方があるもの。便利で安全なオール電化住宅ですが、デメリットがまったくないわけではありません。ただし、デメリットを理解した上でそれを避けながら、オール電化住宅のメリットを存分に活かすことはできます。
今回は、オール電化住宅の賢い利用方法をご紹介します。
■安心安全で光熱費もお得なオール電化
「オール電化」の対象になるものについて、まずはおさらいをしてみましょう。
キッチン設備では、ガスコンロに代わりIHクッキングヒーターを使うことになります。内部のコイルに電流が流れ、電気を使って金属製の調理器具を加熱するという仕組み。火を使わずにすむ上、ガス漏れの心配もないので、小さなお子さんやお年寄りがいる家庭でも安心です。お手入れがかんたんなのもうれしいですね。
給湯は、ガスの湯沸かし器に代わって電気給湯器を使います。当初は風呂とキッチンの両方で湯を使ったり、2階より上に風呂場があると湯量が弱くなるとも言われていましたが、現在では技術が進歩してこれらの短所を克服。断水時でもお湯が使えて、深夜電力を活用できるエコキュート(http://sakuradensetsu.com/blog/18062.html)が人気を博しています。
暖房はガス・灯油ではなく、上記のエコキュートの熱を利用した床暖房や、深夜電力によって夜間に蓄熱しておき日中に利用する蓄熱ヒーターなどが登場しています。
オール電化住宅は、光熱費のなかで多くを占める給湯・暖房コストを安く抑えられるメリットがあります。というのも、オール電化向けの電気料金プランは、夜間の単価が割安に設定されているのです。
もう一つのメリットは、これら調理・給湯・暖房の基本使用料を一本化できるということ。オール電化でない場合は「電気とガス」を併用するためそれぞれの基本使用料を払わなければなりませんが、オール電化ならば、ガスの基本使用料を節約できるのです。
■気になる初期費用、停電は……?
ただし、すべてがいいことづくめではありません。
オール電化にするためには設置や工事にかかる初期費用がそれなりに必要です。また夜間の電気の単価が割安な分、日中の単価は高めに設定されています。
ただし、長いスパンで見ると初期費用を回収してコストダウンすることは可能です。一般的には6〜10年で初期費用の元が取れると言われています。
もう一つ、オール電化で指摘されるのは、停電時に使えなくなるという危惧です。これは事実で、オール電化は停電時には機能しません。
ただし発電所や変電所に原因があった場合の停電は、早くて1分、遅くて2時間ほどで復旧するので神経質になる必要はないでしょう。
もちろん大地震や災害時も心配ですよね。ただ、東日本大震災で完全復旧に要した時間は、電気1週間、水道3週間、ガス5週間と、電気がもっとも早く復旧したというデータが出ています。地下に埋没されている水道やガスと異なり、地上に張られている電線は損傷箇所がわかりやすく、早期の復旧につながるというのがその理由です。
■メリットを活かして上手に使おう
いかがでしたでしょう? オール電化住宅はさまざまなメリットを活かすと、安全かつお得な生活を送ることができます。
ちなみにエコキュートは、タンク内に貯めた水を震災時に生活用水として使うことも可能です(飲用はできません)。災害時のリスクを少しでも減らしておけると安心ですね。
最近では大手電力会社以外でも、オール電化住宅向きのリーズナブルなプランが設定されています。初期費用や電気代など、気になることがございましたらお気軽にご相談ください。